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僕は狂っていく~ぼくるい~

創作小説「僕は狂っていく」まとめブログです。 ジャンルは現代モノです。 基本的に「奇妙な話」です。

再会 

6月に入っても
俺はまだトシの部屋には行っていない。
その間、何度か電話はかかってきているが
「たまには顔見せろよ?」
とか「気兼ねすることないんだぞ」みたいな
こちらを心配しているような様子だった。
きっと・・・マコトさんから俺の話を聞いたんだろう。
強引な様子が無いトシは少し調子が狂う。

瞳と俺の関係は・・・相変わらず。
変わったことと言えば・・・文通が交換日記に変わった。
ノートを買ってきて。
俺がその日にあったことを書く。
瞳が隣のページに感想を書く。

そんな感じ。
後は交換日記で分かったことが少しずつ・・・

はっきりしたことは・・・俺が女装してなくても
瞳は存在してるし、消える気配は無い。
俺に瞳を消す気がないからかも知れないが。

俺と違う価値観を持っていて
全くの別人格であるということ。
それぐらいしか分かっていない。

瞳が言うには
強引に体のコントロールを手にすることはできないらしい。
俺の意識に・・・隙間のようなものがある時に
瞳が表に出られるのだそうだ。
例えば寝ているとき、ショックを受けたとき、・・・射精したとき・・・
そんな時に瞳が表に出ると
俺は眠ってしまう。
今まで、瞳が起こすまで俺が自発的に起きたことは無いそうだ。

瞳は俺の逃避が生み出した人格なのか・・・?

7月に入ってトシに会ってみたくなった。
何だか良く分からないけど・・・こんなオカシナ悩みなら
トシは頼りになるような気がする・・・根拠はないけど。
瞳も賛成してくれている。
トシにだったら打ち明けてもいいんじゃないか
そんな所で2人の意見は一致した。
いきなり尋ねて留守だと何なので
とりあえず電話してみることにした。

「仁?仁?仁かぁ!?どした?何かあったか!?ん?ん?」
・・・のっけからテンション高いなぁ・・・
相談するのが少し心配になってきた。

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[ 2007/01/12 19:37 ] 第七章~認識~ | トラックバック(-) | コメント(-)
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黒矢 一実

Author:黒矢 一実
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