僕は狂っていく~ぼくるい~

創作小説「僕は狂っていく」まとめブログです。 ジャンルは現代モノです。 基本的に「奇妙な話」です。

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序章 

目の前には
映っているのは知らない人。
お前は誰だ?」と何度も聞いてくる。

誰か助けて

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[ 2007/01/31 23:59 ] 第一章  鏡 | トラックバック(-) | コメント(-)

始まり 

「自分に自信を持てるようになる方法だから 」
バイト先の知人にそう言われて始めてみた。
「人の前に出ても絶対にあがらないようになるよ。」
人の目を見て話が出来ない僕は早速試してみた
鏡の前に立って 鏡の前に立って
お前は誰だ
繰り返し聞く
お前は誰だ? 効果は割と早く出たみたいだった。
初めて試した時に
自分が自分で無くなったような感覚
気弱な自分が無くなっていくような感覚


繰り返し聞く 、何度も、何度も……
僕はこの精神訓練法に熱中することになる。


最初は洗面台の鏡で試した。
寝る前、歯を磨いた後に3分間

「時間は短くてもいいから、毎日繰り返すのが大事だよ」

この方法を教えてくれた知人はそう語っていた
毎日、毎日繰り返した

でも、訓練が終わるとそこにいるのは
気の弱い私。
訓練中は弱い私じゃない。
弱い私がいなくなる
私はどんどん訓練にはまっていった
弱い私が消えるのはたった3分
1日1回の訓練では物足りなくなった

「あまりやりすぎたらダメだよ」
知人はそう言っていた。
そんなの関係ない、私は私

早く弱い私を変えたい。

[ 2007/01/31 23:58 ] 第一章  鏡 | トラックバック(-) | コメント(-)

歪み 

いつでも訓練ができるように
駅前の雑貨屋で鏡を買ってきた。
ピンク色の可愛い鏡
私を変えてくれる素敵な鏡

そうやって訓練を続けるうちに
鏡に映ってるのが 誰か分からなくなった
私……なのかな?

私は私じゃない
訓練を毎日続ける。毎日、毎日
鏡を見ていれば弱い私はいない
これを続ければいつか強い私ができるはず……
お母さんが「大丈夫?」って聞いてきたけど
大丈夫だよ、お母さん。

もうすぐ私は強い私になるから。

[ 2007/01/31 23:57 ] 第一章  鏡 | トラックバック(-) | コメント(-)

変化 

私って私ですよね?
部屋から出るのがめんどくさい
さっき変なおばさんが
「顔色悪いわよ、本当に大丈夫なの?」
って聞いてきた。見覚えはあるんだけど
あの人誰だっけ?
鏡には相変わらず気味悪い女が映ってる。
「お前は誰だ?」って聞いてくる

……お前って僕ですよ。

電話がかかってきた
バイト先の店長からだった。
「今日、休んだみたいだけど大丈夫?」
そうか、体調が悪いから休んだんだった。
あれ?いつ電話したっけな?
何か体調が悪い。ボーっとしてる。
でも訓練は欠かさない。
弱い私を早く変えなきゃ。

[ 2007/01/31 23:56 ] 第一章  鏡 | トラックバック(-) | コメント(-)

侵食 

私は……まだ私だ
まだたまにボーっとするけど
外にでれるくらいに体調は回復した
訓練法を教えてくれたバイト先の知人が
「最近変わってきたね!」
って言ってくれた。
継続は力なりってやつだ。
鏡に映る知らない人は相変わらず聞いてくる。

「お前は誰だ?」って

バイトが終わってから家に帰ってきた
どうやって帰ってきたのかな?
最近ボーっとする時間が増えてきた。
お母さんがさっき部屋に来て
「洗濯ものココに置いておくわよ」
って服を置いて行った。
トレーナーに綿のズボン
何か男の子みたいな服。
こんな服いつ買ったっけ?いつ着たんだっけ?
さっきのってお母さんだったよね?お母さん? 誰?

[ 2007/01/31 23:54 ] 第一章  鏡 | トラックバック(-) | コメント(-)

曖昧 

私は私……なのかな?

今日は美容院に行ってきた
髪が長くなって鬱陶しかったから。
何でこんなに髪が長かったんだろ?
髪を切ったらさっぱりした。
美容師さんは「こんなに切っていいんですか?」
なんて言ってたけど短い方がめんどうじゃなくていい。

訓練の回数が減るとボーっとする時間が長いのが分かってきた。
鏡の中の女も髪を切ったらしい。
相変わらず「お前は誰だ?」って聞いてくる

僕は僕、何か問題でも?

また体調悪い
お腹が痛い。
バイト休むって電話入れた。
店長は「大丈夫?無理しないでね?」って言ってた。
いいヤツだ。
体調が悪いと訓練の回数が減る。またボーっとする時間が増える。
でも体動かすのがダルイ…寝るに限る。

僕は僕なはず

バイトから帰ってきた。
遅刻ギリギリだったから店長に怒られるかな?って思ったけど
店長は「あれ?休むんじゃなかった?無理しないでね?」
って言ってた。
生理痛はあるけど休むほどじゃないです。
いつ電話したっけ?なんか記憶が曖昧だ。
知人に「髪切ったんだね、心境の変化?」
って聞かれた。
髪…切ったっけ?

鏡に映ってる人は切ったみたいです。

私は私だったような気がします

[ 2007/01/31 23:53 ] 第一章  鏡 | トラックバック(-) | コメント(-)

僕 

最近雨が多い
洗濯モノが乾かないっておばさんがボヤいてる
おかげで着替えが少ない
こんなに服少なかったっけ?
とりあえず以前からタンスに入ってる
趣味じゃない服を着て買い物に行った。
訓練は順調。

僕は僕、僕以外に何だって言うんだ
鏡の中の人が生活に侵食してるらしい
見慣れない服に覚えの無い行動
ボーっとしている時間に勝手に動いていたようだ
少しでもその時間を無くすため訓練の時間を増やす。

私が僕なのかもしれない

ボーっとする時間は減った
バイトの時に知人に訓練について聞いてみた
ネットに載ってた自己訓練のやりかただよ
出所は覚えてないそうだ。

でも、効果は高いと思う。

私は確実に変化している。
鏡の中の女は恨めしい目つきでこちらを見ている。
「お前は誰だ?」
お前こそ誰だよ?

私は僕、僕は私

[ 2007/01/31 23:52 ] 第一章  鏡 | トラックバック(-) | コメント(-)

混乱 

風呂あがりに着替えようとしたら
替えの下着が無いことに気が付いた
女物の下着
おばさんが間違えて置いていったんだな
というか、さっきまで着ていた下着もない
おばさんが持って行ってしまったのかな?
いつ風呂に入ったんだろ?おばさんも僕も、どうやって?
脱衣所の鏡に映ってるのはいつもの女
僕の真似をして裸になってる

真似すんな!

僕は僕、正真正銘の僕
朝、目が覚めたら女物のパジャマ
ご丁寧に下着まで女物だった。
誰かのいたずらか?気味が悪い。
さっさと着替えることにした。
訓練のやりすぎなのか
鏡に例の女しか映ってない
身だしなみのチェックすらできやしない。
そういえばなんで訓練始めたんだっけ?
思い出せない。
何にせよこの女、邪魔だ。

僕が僕、いらないのは私

[ 2007/01/31 23:50 ] 第一章  鏡 | トラックバック(-) | コメント(-)

確認 

バイトを辞めることにした。
最近、店長が
「趣味変わった?なんか様子が変だけど?」
ってかなりうるさい。
お前よりマシだよ!このデブ!
腹が立ったので今日限りで辞めてきた。
訓練の目的を思い出した。
気弱な僕を変えるためだった。
こんな単純なこと何で忘れてたんだろ?

僕は僕、まだ気弱な僕

[ 2007/01/31 23:49 ] 第一章  鏡 | トラックバック(-) | コメント(-)

蛹 

訓練は続けてる。

なのにボーっとする時間が増えてきた
考えがまとまらない
僕は誰?鏡の中の女がワケの分からないことを聞いてくる
僕は僕と思ってるんだけど
おばさんが部屋に入ってきて
「あんた最近おかしいんじゃない?大丈夫?」
って聞いてきた。
たいして親しくない人の部屋に勝手に入る
あなたよりはよっぽど正常ですから。

僕は僕、俺だったような気もします

部屋の掃除をしていたら
アルバムを見つけました。
鏡の中の女の写真でいっぱいでした。
何だ?コイツ?ストーカーか?
気味が悪いので写真は全部燃やしました。
涙が出ました。
煙が目にしみたんだと思います。
まだ頭の中がモヤモヤします。

僕は俺になる

[ 2007/01/31 23:48 ] 第一章  鏡 | トラックバック(-) | コメント(-)

不可避 

前のバイト先の知人の女から電話があった

「あの訓練やったらダメ!危ないらしいの!」

意味不明なことを言ってます。
俺、全然平気なんだけど
お前が薦めたんだろうに。
訓練は順調そのものです。
最近、夢の中で鏡の女が出てきます
なんか叫んでるみたいだけど
夢の中なので声は聞こえません。
夢でまでストーカーは止めろよな。

僕は俺、強くなった俺

[ 2007/01/31 23:46 ] 第一章  鏡 | トラックバック(-) | コメント(-)

困惑 

部屋から出てないです。
訓練にハマる一方です。
夢の中で女の口を読んでみました。
「か え し て よ」
って言ってるみたいです。
何も借りてないっての、このストーカーが!
おばさんがさっきも部屋に来て
「病院に行きましょ?」
なんて言ってました。
余計なお世話です。体調は良好です。

俺は僕、私は誰?

やっぱり病院に行けば良かったかな?
お腹が痛い
月に1回は調子が悪くなる
何かの病気なのか?
とりあえず寝ます。

僕は僕、時々俺

[ 2007/01/31 23:42 ] 第一章  鏡 | トラックバック(-) | コメント(-)

俺 時々 私 

気色悪い感触で目が覚めました。
ベッドを見ると血の染み
月のモノが来てたんだ・・・
全然気が付いてなかったです。
お母さん?に怒られちゃうな……
お母さんって誰だっけ?おばさん?

私?私は誰?僕だった?

寝起きのせいかすごく混乱しています。
部屋にあるピンクの鏡
なぜかムカついたので床に叩きつけました。
粉々になってます。少しスカっとしました。
生理のせいか体がダルいです。
バイトが無いのが救いです。
バイト?いつ辞めたんだっけ?
覚えてません。
血まみれの男物の下着
なんでこんなもの履いてるの?
ナプキンを当ててもう一度寝ます。

私は私、だけど俺だよな?

家に帰ってきた時点で気が付いた
スカートを履いて外出していた
何?これ?女装?
ご丁寧に下着まで女装
いたずらにしてもタチが悪い
買い物袋の中身は女物の服、下着
いつこんな物を買った?
そういえばお腹の痛いのは収まった
今度痛くなったら病院に行ってみようと思う。
おばさんがまた部屋に入ってきた
「ちゃんと洋服買って来た?元に戻って安心したわ」
ワケの分からないことを言うな、お前の仕込んだいたずらか!
俺の格好を見ておばさんの表情が強張っていた。

俺は俺、記憶が曖昧な俺

[ 2007/01/31 23:41 ] 第一章  鏡 | トラックバック(-) | コメント(-)

病気 

今日病院に連れて行かれた
腹はまだ痛くなってないのに。
先生に「腹がたまに痛くなるんです」
って相談してみたけど
「病気じゃないからね、安心して」だと
ニヤニヤしながら言われても説得力ないって。
何か俺より隣に座ってるおばさんとばっかり話してた。
今度腹が痛くなったらお前らのせいだからな。
来週また来いって言われた。ヤブ医者め。

俺が俺、だから俺

毎日毎日薬を飲まされる
薬を飲むと眠くなって意識が飛ぶ
おばさんはニコニコしながら
「だいぶ良くなってきたわね」
なんて言ってる。
意識が飛ぶような薬のどこが良いんだ?
そういえば最近訓練をやってなかった気がする。
部屋の鏡がいつの間にか壊されてました。

僕は俺になりたい、邪魔な私

[ 2007/01/31 23:35 ] 第一章  鏡 | トラックバック(-) | コメント(-)

入院 

今日は病院に行きました
先生が
「こないだお腹が痛くなるって言ってたけど、大丈夫かな?」
って聞いてきました。ただの生理痛なんで大丈夫です。
お母さんと先生は薬は効いてるとかなんとか話してます。
薬なんて飲んでったっけ?
なんで病院にいるのかな?
ココは病院、私は誰?

誰が私?僕?俺?
俺、なんか入院しないといけないらしいです。

私と僕と俺、どれがイラナイノ……?

病院は退屈です。
毎日お決まりの検査と
退屈な先生の話
決まった時間の薬
寝るくらいしかやることがありません。
窓の外を見るのが唯一のヒマ潰しです。
病院の向かいにあるビルに例の女が見えます。
飽きもせずに「お前は誰だ?」って聞いてきます
誰だっていいじゃないですか

僕は私、ここにいるから多分私
おばさんは毎日お見舞いにきます
心配そうな顔で
「お母さんにできること何かある?」
って言ってくるのでとりあえずオカアサンって呼ぶことにします。
薬の量は最近少なくなってきました。
おかげであんまり眠れないです。
そういえば最近また髪が長くなってきました
オカアサンに「髪、切りたい」って言うと
「似合ってるからそのままのほうが良いわよ」
って言われました。
ビルに映ってる女も髪が伸びてました。
どこかで見覚えはあるんだけど、誰だったかな?

僕は僕、俺が見当たらない

[ 2007/01/31 23:30 ] 第一章  鏡 | トラックバック(-) | コメント(-)

退院 

今日は病室でオカアサンと先生が話してました。
「多少は影響が残ってますが……」
とか「日常生活には……」とか所々聞こえてます
興味が無いのでどっちでもいいです。
時折オカアサンと先生がこっちを見てますが
何か言われるのもめんどくさいので
とりあえず微笑んでみます。
「もう少し経過を見て来週に退院してみましょう」
なんか退院できるらしいです
結局ドコが悪かったんだろ?

僕は僕、他の誰もいない

明日はいよいよ退院です
退屈な入院生活が終わると思うと楽しみです。
今日はオカアサンが着替えとかを家に持って帰りました。
明日の昼に退院だからまた来るって言ってました。
向かいのビルの女はまだ「お前は誰だ?」って言ってます。
先生にコイツのことを相談したら
入院が長引きそうなので黙っていることにします。

僕は僕、他の人はどうでもいい

[ 2007/01/31 23:29 ] 第一章  鏡 | トラックバック(-) | コメント(-)

再加速 

家に帰ってきました
しばらくは通院の日々になりそうです。
「薬はちゃんと飲んでね」って先生
この薬なんか効き目はあるんですか?
部屋に戻るとオカアサンが
「何か欲しいものはない?」
って聞いてきました。
別に欲しいものなんて無いんだけど……
とりあえず鏡が割れていたのでって言っておきました。

僕は私、この部屋では時々私

オカアサン奮発しました
鏡が欲しいって言ったら
姿見の三面鏡を買って来ました。
この部屋には大げさだよオカアサン
なんで僕は鏡が欲しかったんだろ?

僕はワタシ、私もワタシ

[ 2007/01/31 23:25 ] 第一章  鏡 | トラックバック(-) | コメント(-)

終章 

病院に行ってきました
「少し悪くなってますね、少し強い薬にかえましょう」
って先生が言ってます。ドコも悪く無いって
三面鏡はあんまり見てません。
あの女が映るだけだから。女?
家に帰って薬を飲みました。眠い。
今はベッドの上です。
目の前には鏡
僕は誰?私は誰?ワタシって何?誰?誰がダレ?

誰か助けて


[ 2007/01/31 23:20 ] 第一章  鏡 | トラックバック(-) | コメント(-)
プロフィール

黒矢 一実

Author:黒矢 一実
主に短編小説を書いています。
現在のところ更新は不定期です。
コメントを頂けると非常に嬉しいです。
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