僕は狂っていく~ぼくるい~

創作小説「僕は狂っていく」まとめブログです。 ジャンルは現代モノです。 基本的に「奇妙な話」です。

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序章 

私は……生まれついての女王

私より綺麗な人間なんて存在してはいけないの
そのはずだった。
幼稚園、小学校、中学校とアイドル
なのに……高校に入学して
私はここでもアイドルになるはずだったのに!

私は自分の美しさに狂っていく

私の名前は立花 可憐 戸籍の名前は山田 花子っていうんだけれど……それは置いておく。
生まれついてのアイドル
それは生まれたときからの宿命……美しい者が持つ高貴な義務。
常に周囲の人から見られて……愛されて!
男でも女でもみんなが私に注目する
周囲の視線が私をさらに美しくして……美しくなる私にさらに視線が集まる。
それが当たり前の世界のあり方のはずだったのに!

私は世界で一番美しい……美しくなければいけない!

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[ 2007/01/04 22:59 ] 番外編 美女とヲタク | トラックバック(-) | コメント(-)

厳しい現実 

毎日登校の3時間前には起床。
鏡に向かって美しさに磨きをかける。
ああ……今日も美しいわ可憐……
シャワーを浴びてさらに美しさに磨きをかけるため
メイクルームに戻る……

「おぉ!花子、今日も早いなぁ!!」

親父シャツにパッチを履いたバーコードハゲの醜い男が話しかけてくる。
なんで……こんなのが私の父親なわけ?
せっかく浸ってたのに現実に引き戻さないでよ!

トーストにヨーグルト、サラダの朝食をゆっくり摂る。
美貌を保つためにはキッチリした朝食から
栄養のバランスが取れたものをゆっくりと
トーストの香ばしい歯ざわり
ヨーグルトの心地よい酸味
サラダの新鮮な食感。
紅茶の良い香りが私の感覚を研ぎ澄ます……

「ちょっと花子!早く食べないと遅刻するわよ!?」

ガチガチのパーマに紫のメッシュが入った美的感覚のズレた女が叫ぶ。
なんで……これが母親なんだろう?
この両親から私のような美の化身が生まれたのはまさに奇跡

[ 2007/01/04 22:56 ] 番外編 美女とヲタク | トラックバック(-) | コメント(-)

学園生活 

本当は優雅にお付の運転手がいるリムジンで登校が理想なんだけど
経済状況が伴っていないから仕方ないわ。
今日もギュウギュウのラッシュ時間の電車で登校。
私が美しすぎるから……こんなに周囲に押し潰されそうになるのね……
一時間かかって学校に到着。
県内でも普通のレベル(よりちょっとランクの低い)である女子高
本当はもっとレベルの高い共学の高校が良かったんだけど
天はニ物を与えず……美しいから頭脳には栄養を回してる暇はないの

「あ!山田~オハヨ!!」

ちょっと!誰!?美しくない名前で私を呼ぶのは?
振り返るとそこにいたのはクラスメイトの岩瀬だった。
私にこの世で唯一威圧感を与える女……この女!

入学してすぐに分かった。
この女……岩瀬は私のライバルだ!と。
スタイルは抜群、顔も私と同レベル、頭は……どっこいどっこいかな?
ま、まあつまりは私と競うだけの女ということだ。
なのに……この女は気に食わない!
何気ないフリして人気を集めまくってるって何?
しかも……私を上回る勢いなんて認めないんだからね!

「あ、山田さん。おはよ~♪」

誰よぉ!?またしても美しくない名前で私を呼ぶのは!
う……コイツか。いつも岩瀬の隣にひっついている伊藤
コイツもなかなかの……美少女だ。
私がリアルな美しさならコイツは人形のような可愛さだ。
自分の美しさをコイツを隣に置くことで際立たせている岩瀬が憎い!
いずれ伊藤も私の魅力で参らせてみせる。

「あ、山田ぁ、おっは~」
え~い誰だぁ!朝から連発で!!
振り返るとそこにいたのは私の取り巻きその1、こと佐藤だった。
「うん、オハヨ」
ぶっきらぼうに返事を返しておく。
わざわざ下っ端に愛想を振りまいてやるほど私は優しくない。
「ん?山田、元気ないんじゃない?」
「だ~か~ら!『山田』って呼ぶな!」
「ああ、ゴメンゴメン。えと……『可憐』元気ない?」

判ればいいのよ……まったく、下々の者は物覚えが悪くて苦労するわ。

私は立花 可憐 立っている姿が花のような可憐な女

[ 2007/01/04 22:53 ] 番外編 美女とヲタク | トラックバック(-) | コメント(-)

エステサロン 

休日、学校もバイトも無いけど
私の美への探求に休日なんかない。
バイト代をほとんどはたいて
エステへ通う。
この絶え間ない努力が岩瀬を越える第一歩なのよ!
繁華街にあるエステティックサロン『フェミニン』
まあ、設備もまあまあ。技術もそこそこ。価格はお手頃。
高校生がバイトで稼げる額ってのもタカが知れてるからね……
本当はセレブが通うようなエステに通いたいけど。

「あ♪山田ちゃ~ん、お久~!」

私の担当をしてもらってる久保田さんだ。
この人も何度言っても私の本当の名前「立花 可憐」を覚えてくれない。
美人にも欠点はあるっていうけど
記憶力の無さと声が男なみに低いのがこの人の欠点だろう。

「山田ちゃん、化粧しすぎじゃない?顔の肌が荒れてるよ?」
うう……そんなこと無いわよ。
大体街中を歩くのにスッピンでなんて出歩けるわけないじゃない。
「そ、そんなことないですよ!」
一応否定する。
天然美女であるはずの私が化粧してると思われるのが癪にさわる。
「ふーん、まあいざとなればピーリングとかもあるしね♪」
え?何それ?
聞きたいけど聞けない。
私のような完璧な美人が人に教えを請うわけにはいかないからだ。

私は美に狂う、人は私の美によって狂う……そうなるべき

[ 2007/01/04 22:50 ] 番外編 美女とヲタク | トラックバック(-) | コメント(-)

高いんだよ! 

家に帰ってからネットで『ピーリング』について検索する。

ピーリング……美容治療の方法
表皮をいったん剥がして再生させる事で
皮膚のトラブルを解消させることができる。

なるほど……この玉の肌をさらに美しくできるってことね。
価格は……20万円!?
高い……高すぎるよ。

「姉ちゃん!何勝手に人の部屋に入ってるんだよ!」

ニキビ面の坊主、美しさの欠片も感じられない
私をこいつが血が繋がっているのが信じられない。
私の部屋のPCが無いんだからアンタの物を使うのは当たり前でしょ?
愚民は高貴な者に奉仕しなければならない原則を忘れがちだから困る。

美にはお金がかかる、私はお金にも狂っていく……

[ 2007/01/04 22:48 ] 番外編 美女とヲタク | トラックバック(-) | コメント(-)

エンコー出会い 

お金に困る女子高生の定番っていえば……
やりたくはないけどさぁ……お小遣いをもらう交際デショ?
顔写真を掲載できる掲示板にメッセージを残す。

『お小遣いをくれる人を探していま~す。
お小遣いいっぱいくれて優しい人がいいな♪
16歳で~す☆』

この美貌を見れば申し込み殺到でしょ?

美に狂った私は何でも犠牲にすることを厭わない

メッセージが来たのは掲示板に載せてから1週間後だった。
……きっと目につきにくい時間帯だったのよ。
見れなった男どもは不運よね。
こんなチャンス二度と巡ってこないわよ。

メッセージの内容はこんな物だった。
『26歳のイケメンだよ。3つでどうかな?後は相談ってことで。返事待ってます』

3つって3万ってことよね?
ピーリングするまでに7回……美しくなるためには仕方ないわ!
すぐに返事を送るとがっついてると思われるのも悔しいので
翌日に返事を送る。

放課後、制服のままで待ち合わせが相手の指定だった。
「お待たせ」
待ち合わせ場所に来たのは
ネルシャツの裾をGパンに突っ込み
紙袋を手に持ちリュックを背負った
ガリガリ昆虫みたいな眼鏡男。

「フヒヒヒヒ、3つならこんなものかな?さあ行こうか」

何?私の美しさを見て「こんなもん」ですって?
ま、まあスポンサーのいう事だから我慢しないと。
これも全てお金!お金のためなのよ

[ 2007/01/04 22:47 ] 番外編 美女とヲタク | トラックバック(-) | コメント(-)

銭さえあれば 

私の初体験は中3の時。
相手は野球部のキャプテンをしていた丸坊主の男。
校内では人気があったので処女をくれてやったが
今思えば自分を安売りしたものだと後悔している。

それから女子高に進学したためか
現在は彼氏ナシ。
私に釣り合うような男がいないのが最大の理由。
SEXも同じ期間していない。
つまり二人目が……この気持ち悪いヲタク

「さ、早く入ろう」

ロクな会話も無くラブホテルに連れ込まれる。
コミュニケーション能力が欠如してるんじゃない?
やることをさっさとやってお金だけもらおう。

美しさのためなら……何でも犠牲にできる……狂ってるな、私って

2時間で3回もするってどういう神経よ!?
乱暴に突くだけで痛かったし!
「か、体は相性いいね……フヒヒヒヒヒヒ」
って、アンタが気持ちよかっただけじゃない!
そりゃあ最上級の体を抱いたんだから気持ちよくって当然じゃない!

「じゃ、じゃあコレ約束の」

頂くものを頂いたらさっさと退散だ。
「メ、メアド教えろよ」
ヲタ男が図々しく聞いてくる。
「な、なんであんたなんかに!」
「オタクと連絡するのに掲示板じゃ不便なんだ、金がいるなら次も我輩でいいだろう?」
うーん、あと6回……かぁ
病気をうつされる危険のある複数か
気持ち悪いけど安全な一人相手か……

迷った末にメアドを教えた
だって、性病にかかって美貌が台無しになったらショックじゃない?
キモヲタに抱かれてる限りは気持ち悪くても性病の恐れはないしさ。

[ 2007/01/04 22:44 ] 番外編 美女とヲタク | トラックバック(-) | コメント(-)

ショック! 

キモヲタに呼び出されては抱かれること6回
やっと18万が貯まった。
あんな気持ち悪いことを繰り返して
バイトのお金を足してやっとできるピーリング!
頑張った自分に最高のご褒美よ
これで私の美しさはさらにレベルアップよ!!

再び訪れるエステサロン『フェミニン』
担当の久保田さんを指名して予約を入れてある。

「山田ちゃ~ん!とうとうピーリングに手ぇ出すんだ♪」

な、なんかノリノリね。
1回で2万5千円もかかるのにおっ金持ちだね~♪」
え?聞き間違い?
ヒト桁少なくない?
「久保田さん……もう一回金額教えて……?」
美人にも間違いはある。再度確認だ。
「え?2万5千円だってば
ん?どういう事だろうか?
「あの……ホームページで20万って……」
間違いないはずだ、そのために頑張ってあんなことしたんだから。
「ああ♪オバさんのため用の強烈なヤツね!山田ちゃん若いんだから基礎的なヤツで十分よ♪」

目の前の景色がクラクラする……普通のバイト代でできたんだ……
じゃあ……あのキモヲタに抱かれた20発は……無駄?

[ 2007/01/04 22:41 ] 番外編 美女とヲタク | トラックバック(-) | コメント(-)

狂い始め? 

かなり衝撃的な事実は判明してしまったものの
ピーリングの効果は絶大。
少し肌はピリピリするけど
今や私の肌は赤ちゃんに匹敵するほどピカピカだ。
これで岩瀬になんか負けない!!!
テンション上がってる私のもとに1通のメール
…………キモヲタだ。

明日またどう?』

悩んだ末に『OK』と返してしまった。
お金はあって困るもんじゃないからね……
高校卒業くらいまではせいぜい小遣いをせびってやろう。

私の人生の歯車は……少しずつ狂っていく……

[ 2007/01/04 22:39 ] 番外編 美女とヲタク | トラックバック(-) | コメント(-)

キモッ 

なんか良い知らせじゃない
岩瀬と伊藤が付き合ってるんですって!
な~んだ、女子に人気があると思ってたらレズだったのね~!
これでライバルが減ったわ
せっかく良い勝負してたと思ったのに残念だわぁ♪

学校公認のカップルになった二人はひっきりなしにくっついている。
下校時、岩瀬を見つける伊藤の姿を見かけた。

「みのりちゃ~ん!!!!」
人目をはばからず叫びながら岩瀬の腕にまとわりついてる伊藤。
ああいう可愛いアクセサリーみたいな彼女の存在が岩瀬を引き立てているのかな?
ふいに隣にいる佐藤に言ってみた。
「佐藤……私のこと『かれんちゃん』って呼んでいいよ……?」
うん、自分でも気の迷いだと思う。
呟くように「キモッ」と言った佐藤に延髄蹴りをかましてこの話題は終わった。

[ 2007/01/04 22:36 ] 番外編 美女とヲタク | トラックバック(-) | コメント(-)

マイナー挑戦 

夜中にテレビを見ている時に大発見!
マイナーな世界だったら私くらいの美人はすぐに人気者じゃない?
きっかけはスポーツニュース。
カバディ界のアイドルとかいうのが紹介されていた。
なーんかパっとしない娘。
100点満点で65点ってトコだろう。
こんな娘でもマイナーな世界に入ればアイドルってことは……
私だったらもっとスゴイ事になっちゃうんじゃない?
ある程度有名になっちゃえばマイナー時代は黒歴史にすればいいことだし。

さて、どんなマイナー世界に入るかが問題よね?

いつものお小遣い稼ぎの後。
ベッド脇でセンスの無い服を着ているキモヲタに聞いてみた。
「ねえ?美人の少ないマイナーな世界って何があるかな?」
キモヲタは頭をバリバリ掻きながら考えてる
……さっきシャワー浴びてからしたんだから痒くないはずでしょ?
その癖、止めなさいよね
「有名になりたいのか?フヒヒヒヒヒヒ」
有名……そうよね。有名になってこの美貌をもっと多くの人に見せてあげないと。
「フヒヒヒヒヒ。じゃあ……こ、コスプレなんてどうだ?」
コスプレって……アニメの格好とかする……アレ?
確かに暗い感じの娘しかいなさそうだし手っ取り早く人気にはなれそうだけど……
オタクでも露出を多目にすれば人気になれる……フヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ」
昆虫みたいな面で気持ち悪く笑う。
オタクでも」って何だよ!私だからこそ人気になるのよ!

……でも、このキモヲタにしては良いアイデアかも知れない。

[ 2007/01/04 22:33 ] 番外編 美女とヲタク | トラックバック(-) | コメント(-)

衣装合わせのはずが…… 

衣装のツテがあるわけで無し、アニメの知識があるわけで無し……
結局はキモヲタが衣装も場所も決めることとなった。
なんでも月に2、3回はこの手のイベントをやってるらしい。
「え、エッチは絶対に無しなんだからね!」
そういう約束でキモヲタの部屋で衣装合わせをやることになった。
人気が出るまでの踏み台だ。我慢しなきゃと自分に言い聞かせる。

キモヲタが用意した衣装は……なぜかサイズはぴったりなんだけど
……何よ……この露出部分の多さは
薄いピンクのレオタードに腰のまわりに透けてるチュチュ
バレエの衣装をエロくしたみたいな感じだ。
「こ、こんなアニメのキャラがいるわけ?」
なーんかコイツの趣味の格好じゃないかと疑わしい。
「ば、馬鹿なことを言ってはいけない!
この格好は『魔法ダンサー プリティキッス』のミュウちゃんじゃないか!
そもそもこの作品は作画が美麗で脚本が緻密なことで有名であり
井の頭監督が担当した感動の第23話なんかは伝説的で……」

普段あまりおしゃべりしないはずのキモヲタに2時間ほどアニメについて語られた

「萌え~だな!普段魅力の少ないオタクでも萌え~!だ!もう少しで惚れ~!だフヒヒヒヒヒ」

衣装を着た私を見てキモヲタが興奮してる。
自然な反応だよ、うんうん♪
これでコスプレ会場での人気も間違いないわね。
私は……新世界の神になる!

「でも着こなしがまだ甘いんだよな~」
キモヲタが私の腰の辺りに触ってくる
ハイレグの横の部分を上げて引っ張る。
股の部分が私のアソコに食い込む……
「アンッ」
思わず変な声が出ちゃったじゃないかぁ……

[ 2007/01/04 22:30 ] 番外編 美女とヲタク | トラックバック(-) | コメント(-)

ツンデレ化 

あ……キモヲタまでさっきの声を聞いて興奮しちゃったみたいだ
息がハァハァ言ってる
股間が異常に膨らんでるよ……
私も変な気分なんだよねぇ……普段してないことで……興奮してるっていうか

「ねえ?お小遣いくれるなら……しよっか?」
こう言えばキモヲタは絶対にやってくるだろう。
性欲の塊みたいなヤツなんだから。
だが返ってきた答えは予想を外したものだった。

「そ、その衣装を作ったからお金ないんだよ……ブヒヒヒン」

な!なんですってぇ~!?
私の方から初めて誘ってやったっていうのに!この愚図!
なんか我慢しなきゃいけないと思うと……余計ムズムズしちゃうじゃん

「じゃあさ?この衣装が代金ってことでいいからさ……しようよ?」

キモヲタが私に襲い掛かった
キャ~~~~!こういう激しいのも良いかもしんない♪

……キモヲタとエッチしたかったワケじゃないんだからね?
こういうモヤモヤした気分だと美貌に悪影響がでるから
エッチしてストレス解消するためのただの道具なんだからね!

女性誌の『NYANNYAN』にもセックス特集があるくらいだし。
我慢したほうが体に悪いからやってるのよ!

こうやって何回もエッチしてると
少しは情も湧いてくるもんだ
結局コスプレ衣装のまんまで5回もしてしまった。
横でガーガーイビキをかいて寝ているキモヲタ。
自分の部屋だからって
こんな美人を横にイビキかいて寝てるんじゃないよ。
ちょっと可愛く思えるじゃんよ

……ただの独り言なんだからね!本当は可愛いなんて思ってないんだからね!
でも……3万円が高くて私となかなか会えないと思ってるんだったら……
……今度から5千円にしてあげてもいいとは思ってるんだからね。

[ 2007/01/04 22:27 ] 番外編 美女とヲタク | トラックバック(-) | コメント(-)

心境の変わり過ぎ 

自分の服に着替えて荷物をまとめてると
キモヲタが目を覚ました。
「うえ?帰るのか?フヒヒヒヒヒヒヒ」
「な、何?起きたの?衣装はクリーニングするからね!いいでしょ!?」
パンツ一丁の情け無い格好でキモヲタが布団から這いずり出てくる。
「晩飯食っていってもいいよ?フヒヒヒヒヒヒ」
「こ、こんな衛生環境の悪い場所で食べれるわけないでしょ!」
本当にゴミ溜めだ。
きれいにしてあればホテル代も浮くっていうのに……全く!
「と、とりあえず衣装は明後日返しにくるから!
その時に掃除もしてあげるから!それまで汚しちゃダメなんだからね!!」

バンッとドアを閉じてキモヲタのアパートから走り去る私。
うわ……なんだぁ?顔が熱い!
なんか気持ち悪いぞぉ!私!

夜中にベッドで寝転んで携帯眺めてる私。
会う予定が無くってもメールくらいして来いって言うのよね……
むしろ会う予定を作るためにメールして来いってのよ……
こんな美人がアンタみたいなキモヲタのメールを待ってやってるってのに
クシャミでもして悟ってすぐさまメールするくらいの気配りを見せなさいよ!

……無理な話か。
とりあえず、明日にはクリーニングした衣装を受け取って
アイツの部屋に持っていけるからいいかぁ……

って何で私がアイツに会いたがらないといけないのよ!
逆でしょ?逆!
アイツが大金をはたいてでも私に会いたがらないといけないんじゃない?

『次から500円でいいからね!』
我慢できないでメールを送ってしまった。
一桁間違えたような気もするけど……いっかぁ……
エッチしてるおかげでエステに通わなくてもいいくらいに
お肌はツルツルしてるし……ご褒美に有料のセフレにしてあげるってのよ!

美しい私の、醜い奴隷クンになれるんだから有難く思って欲しいわ。

[ 2007/01/04 22:21 ] 番外編 美女とヲタク | トラックバック(-) | コメント(-)

掃除と食事と本音 

土曜日、学校は昼まで。
授業終了と同時に教室を飛び出す
「あ!山田~お昼ご飯食べて帰ろうよ」
そう言う佐藤を軽く無視して
一目散にクリーニング屋へ。

衣装を受け取ってキモヲタのアパートの近くのスーパーで
お昼ごはんの材料を買って……ど、どうせロクなもの食べてないんだしね!
キモヲタの部屋の前に立ってインターホンを押す
……ドキドキなんかしてないんだからねっ!?

……ドキドキなんか……ドキドキなんか……どきど……出やがらねえよ

ドアをノックすること二十数回
頭をボリボリ掻きながらキモヲタがドアを開けた。
「うあ?お前かよ。今日だったかフヒヒヒヒヒヒヒ」
しっつれいなヤツ!忘れてたの
こんな美人が部屋に尋ねてくるんだから
カレンダーに花丸でもつけておきなさいよ!
「入るからね!」
遠慮する間柄でも無い。
キモヲタを押しのけて部屋に入る。
ドアの前でボーっとしてるキモヲタ。
「ほらぁ!さっさとシャワー浴びてきなさいよ!
どうせ昨日もお風呂入ってないんでしょ!
その間に掃除するから!邪魔!」
キモヲタを急かしてユニットバスに押し込む。
世話焼かすんだから、全く!

……彼女じゃないんだからね!勘違いするなよ!

一時間ほどかかってやっと掃除が半分終了。
15分ほどでシャワーを浴びてきたキモヲタがうるさい。
「あ!そのフィギュアはそっと運んで!」とか
「その漫画は布団から手の届く場所に置いてるのに!」とか
「ああ!机の上は同人の原稿があるから触らないで!」とか

いちいち相手にしてたら掃除が終わらないので8割は無視
やーーーっと人が住んでる場所っぽくなったよ。
……まだまだ汚いんだけどね。

掃除が一段落したところでお昼の準備。
どうせ昨日もカップラーメンでしょ?
こんな美人の料理が食べられるなんて滅多にないんだから!感謝しなさいよ!
手早く作れるものをチョイスしておいたから
準備も早い。10分ほどで昼食の準備は整った。
完璧な美人さんとは私のことよぉ!さあお食べなさい!そして感激しなさい!
ニンニクチャーハンに豚肉とニラの炒めもの。それにお味噌汁。
どう?ちょっとした中華屋さんには負けないわよ?オホホホホホ!!

「美味いけど……もうちょっと味の濃いほうが好みだな……フヒヒヒヒヒヒ」

な!なんですってぇ!この味覚オンチ
ジャンクフードばっかり食べてるからそんな味覚になるんじゃない!

し、仕方ないから週に2、3回はご飯作ってあげるから
ちゃんと私の料理の味を分かるようになりなさいよね!
ついでに洗濯もしてあげるから!ちゃんと汚れ物はまとめておきなさいよ!
パンツ!?……ついでだから洗ってあげるわよ!
これからここで会うんだから部屋もそれなりには綺麗にしなさいよね!
500円も……私にお釣りが無い時は後払いでもいいんだから!
他のぼったくりみたいな女の子と援交なんてしたら許さないんだから!
あ、アンタが性犯罪に走って捕まって、私の名前が出たら困るから!
それだけなんだからね!
か、か、勘違いしないでよ!彼女じゃないんだから!!

そんでさ……今日可愛い下着だから……見るよね?
精力付くようなメニューにしたから……もうムラムラきてるよね?

……私の人生……どこで歯車が狂ったのだろう?

[ 2007/01/04 22:18 ] 番外編 美女とヲタク | トラックバック(-) | コメント(-)

月日の経過と私の変化 

10月になった。
キモヲタの部屋に通うのはまだ続いてる。
名目は衣装合わせってことなんだけど……レイヤー界で人気になってるんだけど
正直……そんなのどうでもいいや

なーんかね、アイツにご飯作ってあげて
最近美味しいって言われるほうが嬉しい

一発やるごとに500円もらって
それがアイツの食費に化けて。
それなのに私はアイツの部屋に通って
洗濯して掃除して身の回りの整頓までして
それでも「ありがとう」の一言も無くて

あー私は何やってるんだろ。
美しく彩られるはずの私の人生が大きく狂っているような気がする。

[ 2007/01/04 21:59 ] 番外編 美女とヲタク | トラックバック(-) | コメント(-)

体育祭 

学校の体育祭
ウチの学校は割とオープンで
学校配布の『父兄券』さえあれば男でも観覧可能だ。
父兄と称した誰かの彼氏と思しき人物もチラホラ……
「あの人カッコ良くない?」
なんて佐藤がはしゃいでる。
「ねぇ?山田は彼氏来ないの?」
な!なにを言ってるのよ!?
わ、私に彼氏などいない!!
「そんな人いないわよ!釣り合う人がいないっての!」
思わず声が大きくなる。
「えー、最近付き合い悪いのって彼氏ができたんでしょ?隠すなって」
ニヤニヤしやがって!佐藤のくせに生意気だ!
付き合いが悪いのはキモヲタに餌をあげてるからだよ!
自分の奴隷なんだから栄養失調で倒れたら困るでしょ?
そ、それだけで。……か、彼氏なんかじゃ断じてない!
第一……向こうは私の事を彼女なんて……思ってくれてない。

む……なんか世界の方が間違ってる。私は……間違ってない。

[ 2007/01/04 21:57 ] 番外編 美女とヲタク | トラックバック(-) | コメント(-)

岩瀬=ダメ人間=みのり 

佐藤のクリティカルヒットの攻撃で少々ヘコみながら体育祭。
全校生徒と父兄の注目を集めているのはやはり岩瀬か……
うーん、燃えない。
最近なんだか女子生徒や他の人の注目なんてどうでも良いような気分だ。
レイヤーやっててコスプレ会場でカメラ小僧の注目を集めすぎたせいかな?
なんだか以前なら燃えたシュチュエーションに燃えない。
でも、相変わらず岩瀬は綺麗だよな……
燃えなくなったと言っても綺麗で美人であるための努力は欠かさない。
昨日の敵は今日の友。
ちょこっと美貌の秘訣でも聞いてみるかね?

「岩瀬~ちょっと話いい?」
100m走が終わってクラスで固まって座ってる席に戻ってきた岩瀬に話しかける。
隣にひっついている伊藤がこっちを睨みつけてる
大丈夫だって……私はソッチの気は無いから取らないって。

「え?美貌の秘訣?」
岩瀬の反応にちょっとムカついた。
目をまん丸にして、どうして自分にそんな事を聞くか分からない
そういう反応だ。
「あるでしょ?食生活で気を付けてることとか
どんなエクササイズしてるとか……どんな生活送ってるとか
そういうのを教えてって言ってるの!」

あ~恥を忍んで聞いているというのに
この女、未だに私をライバル視してるって言うの!?
……と思っていたのだが。

「生活ねぇ……好きなだけ食べて、寝て……ハマってるゲーム深夜までやって……」

そ、それって私の知人にそっくりなライフスタイルなんだけど……?
「あと……あ!一つ、コレは欠かせないっていうストレス解消法がある!」
それよ!そういうのを聞きたかったのよ!
「弟を実験台にプロレス技を開発する」

……真面目に答える気がないだろ……お前。

落胆の色を見せる私に伊藤が
「みのりちゃんが気を使ってるのなんて見たことないよ
他の人がバカらしくなるくらいのダメ人間のライフスタイルだよ?」

フォローになってないフォローを入れる。
伊藤がそう言うのなら……間違いないんだろう。

……つまり、コイツは何もしなくても超が付くほどの美人ってことね。
兵力の差が戦力の決定的な差だと思い知らされたような気がした。

[ 2007/01/04 21:54 ] 番外編 美女とヲタク | トラックバック(-) | コメント(-)

ツボ押し機 

岩瀬との宿命の対決に敗北を喫した私にさらに悪い知らせが飛び込んできた。
……飛び込んできたというか見つけたと言うか……
購買部の自動販売機でジュースでも買おう
そう思って校舎に近付いた時だ。
「フヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ!萌えー!!!!」
耳慣れた声が聞こえた。

まさか……ね、と声の聞こえた方向に顔を向けると……いた。
見間違えるワケの無いパンツインネルシャツに紙袋、リュック所持の変質者スタイル
なんでアンタがココに来てるのよ!
どうせ女子高生の体操服写真目当てで来たってことは
理解したくないけど理解できてるけど。

人目に付かないように腕をひっつかんで物陰に引っ張る。
「なんで来てんのよ!」
「な、なんでって我輩が来てはいけないのか?」
「イケナイっつーか、何しに来てるのよ!」
首に下げたバズーカ砲みたいなレンズの付いたカメラを見れば一目瞭然なんだけど。
「お、オタクの姿を撮りたかっただけだ……」

へ?他の女子高生じゃなく?私?
……やばい、こんなキモヲタに……何かツボを突かれたような気がする

どこをどう迷って……私はココに来てしまったんだ?

[ 2007/01/04 21:52 ] 番外編 美女とヲタク | トラックバック(-) | コメント(-)

覚悟完了 

「どうせ他の子も目当てなんでしょ!?」
首のデジカメをひったくって画像を確認する。
写ってるのは……確かに私ばっかり。
正確には9割は私……
残り1割に岩瀬や伊藤の写真が混ざってるのは気に食わないが
確かに……私の写真を撮りにきたってのは本当らしい

「な、何で来るって言わないのよ!?父兄席に入れる券渡したのに!」
キモヲタは私から視線を外して呟く
「だって……オタクが格好悪いでしょ……我輩みたいなのが関係者だと……」

……胸に釘を打ち込まれた気分だ。
まさかキモヲタに核心を突かれるなんて……

「は、恥ずかしくなんてないわよ!」
思わず口をついて出てしまった言葉。
視線を合わさないキモヲタ。
「もっと堂々と来なさいよ!
大体アンタみたいな変質者丸出しが
生徒の関係者以外でここに居たら先生につまみ出されるのがオチじゃない!
ちゃんと私の関係者って名乗ればいいでしょ!!」

うわ……私、一体何を言ってるんだろ。
頭に浮かんだことを言葉にしたらこんな台詞になってしまった。
キモヲタすらいつもは細い目を見開いてビックリしている。

「ちょ、ちょっと待ってなさいよ!」

固まって動かないキモヲタをその場に残して
職員席に向かい父兄券を受け取ってキモヲタの所に戻る。
キモヲタは本当に固まったままその場で待っていた。

この姿……先生に見つかったらマジでつまみ出されるよ。

「ハイ!コレ!ちゃんと私の名前を書いて持っておくのよ!?
終わりまで待ってなさいよね!
昼ご飯はどうするの!?アテが無いなら私の分けてあげるわよ!」

もうこうなればヤケだ。
誰にバレたって構うもんか!
そうだよ!こんなに綺麗な私なのにさ
こんなにキモイヲタク男を好きになっちゃってるわよ!
好き好き好き!だ~い好き!
何の魅力も無いけど
理屈なんて分からないけど大好きだよ!

ああ……私の人生、大幅に狂ってるよね。

昼休憩の後、佐藤に
「さっきのキモイ男……誰?」
って聞かれたけど
「親戚!写真家だから記念写真撮ってもらってるのよ!」
とテレ隠しに鳩尾に一発食らわせながら嘘をついてしまったのは秘密だ。

[ 2007/01/04 21:51 ] 番外編 美女とヲタク | トラックバック(-) | コメント(-)

なんで 

体育祭が終わって。校門のところにアイツは待っていた。
それはもう見るに耐えない格好で。

なんで体育祭を見にくるのにそんな格好なのかな?
なんでポスター突っ込んだ紙袋が必要かな?
なんで似合わないバンダナしてるかな?
なんで指出しの皮手袋履いてるかな?
なんでいつも同じネルシャツ着てるかな?

なんで……私はコイツが好きなのかな?

帰り道、駅まで腕を組んで歩いた。
周りの視線が全然気にならなかったのは……なんでかな?

[ 2007/01/04 21:48 ] 番外編 美女とヲタク | トラックバック(-) | コメント(-)

サプライズ 

今日は私の誕生日……なんだけど……祝ってくれるわけないんだよな
あの対人関係能力がゼロの男が。
雑談したときに誕生日の話題になったことはあったけど
アイツが覚えてて祝ってくれるなんて可能性……皆無に近い。

そんな事を思いながらも自分の誕生日なのに
「ちゃんとご飯作ってあげるから!家にいるのよ!
ヲタ街なんて行ってたら承知しないからね!?」
なんてご飯を作りに行く約束なんかしちゃって

……私の人生計画狂いまくりだ

今日はちゃんと家で待っていた。
どうやら初回限定のエロゲDVDBOXも発売日じゃなかったようだ。
ホッとする反面、何でモノと競わなきゃならないんだと自分が悲しくなる。

部屋も綺麗にしてあるし。
顔に脂が浮いてないってことは今朝もちゃんと顔は洗ったみたいだし。
ちゃーんと私の言いつけ守ってるじゃん。
賢い賢い♪
頭を撫でてみても手に油がひっつかない!
ちゃんとシャンプーまでしてんじゃん!
エライ~~~~♪

……なんでこんな当たり前のことをしてるだけで感動してるんだよ私は……

さーて、自分で自分の誕生日パーティーのご馳走でも作るかぁ
唐揚げにスパゲティのミートソース、粗挽きのウィンナーにカレーライス
……作ってて自分で虚しくなりかけた……
コレって全部アイツの好物じゃん。
無意識のうちにこれをセレクトした私って……

私って案外尽くす女だったのかなと思う今日この頃。

料理ができてテーブルに運ぶと
キモヲタが急に部屋の明かりを消した
ええ!?いきなり発情期!?
そりゃあ今日は私もヤル気マンマンでお気に入りの勝負下着だけどさ?
普通は先にご飯でしょ?
ご飯食べて、まったりして、それからエッチっしょ?
段階踏もうよ~!

「動かないで!」
暗闇から響くキモヲタの声
何?普段明るいところで平気でやってるクセに
今日は暗闇でやるっての?
勝負下着ちゃんの立場は?
赤色のTバックできっと興奮するよ?

カチャ……カチャ……テーブルの上の料理が移動させられてる音。
テーブルの中心にほのかにともる灯り……

『HAPPY BIRTHDAY KAREN!!』
と文字が書かれた、ローソクが17本立ったケーキがあった。

「誕生日……おめでとう」
キモヲタが静かにそう言った。
覚えてたんだ……胸が締め付けられるような感覚。
「あ、ありがとう……ありが……」
二回目のありがとうは声が詰まって最後まで言えなかった

「早く……ローソク消さなくては」
キモヲタに促されてローソクを消そうと顔を上げる。
ローソクの炎に照らされてキモヲタの顔が怪奇映像に出てくるオバケに見えた
せっかくカッコ良かったのに……決まらないね。

でも……やっぱり大好きだ!

ローソクの火を一気に吹き消した瞬間にカメラのフラッシュ
「お、おめでとう!フヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ」
コイツなりの最大級のサプライズなんだよなぁ
理解できてる自分が悲しい。

[ 2007/01/04 21:45 ] 番外編 美女とヲタク | トラックバック(-) | コメント(-)

幸福感 

「さ、さあ食べよう!我輩お腹が空いて辛抱たまらぬ!」

あのさ、私の誕生日ってこともう忘れてない?
それなのになんでアンタが先に口をつけてんのよ!
……と思いながら顔がニヤけているのが自分でも分かる

……こんな無神経なヲタクに惚れた私の負けだよねぇ

「ホラ!慌てて食べるからご飯粒ついてる!」

キモヲタの頬についてるご飯粒を指で取り
自分の口に放り込む。
「……なんかオタク、変わりましたかね?」
私の顔をじーーっと穴が開きそうな程見つめるキモヲタ。

ええ!変わりましたとも!アンタのおかげで!

……私はこのキモヲタに狂ってる、こんなヤツのために、こんなヤツのためだけに綺麗になりたい

ご馳走を食べ終わってまったり♪
キモヲタがほとんど全部たいらげてお腹を膨らまして寝転がってる。
ああ……こんなダメ人間な姿を見て幸せ感じてるのなんて
日本に私を含めても10本の指の数にも満たないわよね……

「あ、イカンイカン我輩大事なことを忘れるところであった。」
キモヲタが急に立ち上がり机の上のPCを急にいじりはじめる。

なんだよ~ムード無いなぁ……ここで肩をそっと抱いてとか
気の利いたことができ……るワケないよなぁ。
と、キモヲタが私を手招きする。
ん?なに?いつもはPCの傍に近寄るのも嫌がるクセに。
『我輩の宝物が詰まっておるのだ!近寄ってはならない!邪気眼が発動するぞ!』
とか言うくせに。今日は一体どんな風の吹き回し?

「コ、コ、ココをクリックしたまへ」

モニター上のデスクトップにあるアイコンを指差す。
カチカチっとダブルクリック。
何かのホームページのショートカットのようだ。

画面にホームページが開かれる
……目が点になる

[ 2007/01/04 21:30 ] 番外編 美女とヲタク | トラックバック(-) | コメント(-)

特別なページ 

『アイドルレイヤー 立花 可憐 の部屋』

おい!なんだよ!コレ!
「わ、我輩の自信作だ!誕生日プレゼント喜んで受け取るがいいぞ!」
胸を張って得意げに……どうしてここまで一般人と感覚がズレてるのかね
「ありがと……」
コイツなりの精一杯考えたプレゼントなんだろう。
ありがたく受け取っておくよ♪
私、自分のPC持ってないけどね。

「そ、それとここをクリックしたまへ」

ページの一番下
『可憐専用ページ』
と書かれたリンク。

言われたままにクリックする。

開いた先にパスワードの要求。
「パスワードはオタクの誕生日4ケタである」

誕生日……ね、今日の日付。
1・0・2・9……と
パスワードが認証されページが開く。

そこに書かれていたのは

『誕生日おめでとう可憐 これを機に我輩と正式に付き合ってください』

その言葉だけ。
横を見るとキモヲタはそっぽを向いてる。
耳まで赤いので顔も赤くなっていることは想像に容易い。

キモヲタの背中にそっと抱きつく
「う……わ、オパ、オパ、オッパイが我輩の背中に……」
この期に及んで何をそんなに慌ててるのよ。
大体、『当たってる』じゃなくて『当ててる』のよ。
「バカ……間違ってるわよ」
「わ、我輩が間違えていると?何を何故に間違えていると?」
「彼氏に対してくらい本名でいいじゃない『山田 花子』だよ!」

……私は狂っている。このヲタクを……深く愛せる程に。

[ 2007/01/04 21:27 ] 番外編 美女とヲタク | トラックバック(-) | コメント(-)

本能の好き 

人を理屈抜きで好きになっちゃうって怖くない?
格好良いとか、お金持ちだからとか
優しいからとか、趣味があうからとか
そんな理屈がある恋愛と違って
マイナス点しかないのに
むしろ終わってるレベルのはずの相手を
理屈抜きで、本能的に好きと思ってしまうと
ドロ沼になってしまう。
底なし沼の方が正解かもしれない。

私は狂わされた……運命の赤い糸に

[ 2007/01/04 21:15 ] 番外編 美女とヲタク | トラックバック(-) | コメント(-)

終章~幸せな結末?~ 

私の人生設計は大きく狂ったなぁ。

生まれ持った美貌で芸能界あたりにデビューして。
金持ちの男と結婚して美人セレブとして
優雅な生活を送る予定だったんだけどなぁ。

テレビの上に置いてある写真立てには
3年前の結婚式の写真

花嫁衣裳も眩しい美しい私
お笑い芸人も真っ青なほど不似合いなタキシードを来た夫
夫のかつての名前を『キモヲタ』と申します。

ウェディングケーキの上に佐藤が置いた
『美女と野獣』のフィギュアがご愛嬌になるほどだった。

短大を卒業してすぐに結婚したから……かれこれ7年の付き合いかぁ
モチロンって言うか当然というか、な~~~~~んにも変わってない!
去年子供が生まれたのに未だにDVDBOXとか買ってくるんだよ
自分のお小遣いで賄ってるから許してるけどさ。
せめてこの顔は私に似た子供に……夫の遺伝子だけは目覚めないように育てないと

私は狂っている。でも、人生をかけて狂ってみせる

[ 2007/01/04 21:03 ] 番外編 美女とヲタク | トラックバック(-) | コメント(-)

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[ 2007/01/04 21:00 ] 番外編 美女とヲタク | トラックバック(-) | CM(1)
プロフィール

黒矢 一実

Author:黒矢 一実
主に短編小説を書いています。
現在のところ更新は不定期です。
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